意地と可愛さ
昨夜、バイトで疲れた体を寝かすこともせず、わたしはなんとなくHey! Say! JUMP10作目のシングル、Come On A My Houseのミュージックビデオを再生していました。
何を隠そう、わたしは2013年に公開された某カレーのCMにて「カモナマイハウスラブカレー〜♪」と愉快な曲に乗せおたまを振り回している彼らに見惚れ、、Hey! Say! JUMPのファンになりました。
今でこそCMでの出会いは運命的であったし、今現在彼らに幸せにしてもらっているからこそ、あの時の自分に感謝をしています。ですが、当時13歳であったわたしはその時、15秒間の間にさまざまな想いを馳せていました。
わたしの母親は何を隠そう、嵐・櫻井翔くんの大ファンでした。小さい頃から嵐のDVDを見せられ、バラエティを見せられ、歌を聴かされたわたしは吸い込まれるように嵐の虜に。
そこで出会った、今でも大切な存在である、人生で初めての推しが相葉雅紀くんです。
相葉雅紀、とにかく手足が長く、顔も良く、優しさもあり面白い。小学生のわたしは「あいばくんと結婚する!」と毎日のように言い張り、これ以上好きになれる人はいないと豪語していたほどです。
そんな相葉くんの大切なお仕事のうちのひとつに、ハウス食品「バーモントカレー」のCMがありました。
当時小学生。純粋に相葉くんのことが大好きだったわたしはバーモントカレーのCMが流れるたびにテレビに貼り付き、母親にももちろん「カレーはバーモントにしてね!」と、今思えば余計なお世話すぎる一言を発していました。
相葉くんのCMは季節に合わせさまざまなバージョンが放送されており、まさに四季の風物詩。わたしの季節はバーモントカレーのCMとともにやってくると言っても過言ではない状態。(流石に過言ではある)
そんなわたしの耳に飛び込んできた衝撃のニュース。それは、バーモントカレーのCMが彼の所属事務所の後輩、Hey! Say! JUMPに移り変わるというものでした。
もちろん、相葉雅紀のCMが過去先輩から受け継がれたものというのも重々承知しております。ですが、当時13歳のピュアな心を持ったわたしにはそれがどうしても許せず、納得できず、Hey! Say! JUMPという存在が嫌いになるほどでした。
いざ放送が開始されてからも不快だからという理由で耳を塞ぎ、チャンネルを変え、「相葉くんのほうが100億倍かっこいい」と、今思えばただの意地っ張りでしかない行動を繰り返していました。
ところがわたしもまだまだ子供。時にはそんな意地を張っていたことも忘れ、いつしか当たり前のようにHey! Say! JUMPのCMを目にするようになりました。
そして、なんと言ってもわたしの意地を緩ませた要因、これがまさに、このCMに使われていたお馴染みの楽曲『Come On A My House』にあります。
相葉くんのCMでは嵐のオリジナル楽曲が使われることがなかったため、最初はこれもどこかの愉快な人たちが歌っている、と思っていました。
だって……信じられますか?こんなに、このCMでしか使えないような曲をわざわざリリースするなんて……信じられますか?(食い気味)
わたしは信じられませんでした。
ですがある日、その曲が彼らのものだと知りビックリ仰天。ジャニオタとしての先輩である母親も認めるほどのトンチキさ。
そしてわたしは、年頃の女の子。そんな彼らにうっすらと興味が湧いてしまいました。意地を張って顔なんてよく見なかったし、テレビに出ていてもじっくり見るなんてことはしなかった。そんな彼らを一度見てやろう。そして、こんな変な曲を歌っている彼らがどんな顔しているのか、よく見てやろう。と思ったわけです。
前述している通りわたしの母親はジャニオタであり、交友関係の中には嵐以外のグループのファンの方もいました。
母親もその影響で自軍以外の番組もしっかりチェックしていましたし、母親の隣でスクラップティーチャーを観る日々もありました。
あれほどJUMPに対して拒否反応を示していたわたしですが、バーモントカレー剥奪事件以前はHey! Say! JUMPに対し特に特別な感情を抱いたこともなかったため、嵐のライブDVD「Time」に収録されているデビュー前の初々しい彼らを見て「Hey! Say! JUMPなら八乙女くんが1番かっこいいな!」と、長身細身体型が大好物のわたしはウキウキでUMPを再生するなどしていたこともありました。
「まあそんな好きにならないと思う!だって相葉くんが1番だもん!」
予備知識がそれくらいにしかなかったわたしが彼らをじっくり見たら、どうなってしまうのか。もしかして、八乙女光くんに恋してしまうのか。上のような言葉を吐きつつも内心ドキドキしながら待ち構えていると、
「僕たち、バーモント育ち!」
という楽しげな声が聞こえてきました。
率直に言いますと、「カモナマイハウスラブカレー♪」という愉快な音楽に乗せ、若い男たちがおたまとお皿を振り回しているその光景は、13歳のわたしに十分すぎるぐらいのキラキラのエフェクトがかかっていました。
そして、まず第一声。「光くん、いたぁ?」
ヒルナンデスで有岡くんに大ダメージを負わせたあの女の子のようにわたしは母親に尋ねました。
録画番組にももちろんこのCMが残っていたためもう一度、二度…と繰り返して見ていくうちに、一つのことに気が付きました。
カレーを頬張るシーンで最初に映る男の顔が、めちゃくちゃ可愛い。
でも、どう見ても八乙女光くんではない。
オタク御用達のコマ送り機能を駆使し舐め回すようにその顔面を見ていたところ、お風呂から出てきた母親に
「有岡くん好きになったの?」
と言われ、彼が有岡大貴だということが発覚しました。
嘘です。だってスクラップティーチャーのときの有岡くんは黒髪で、前髪が薄くて、襟足が外に跳ねている典型的なジャニーズヘアーをしていて、絶対わたしの好みの容姿ではなかったのだから。
恐る恐る当時使っていたガラケーで某画像サイトに「有岡大貴」と打ち込んでみると、そこにはキュートな笑顔を浮かべる彼の画像が並んでいました。
恐ろしい。わたしの携帯には相葉雅紀でも櫻井翔でも、別で応援していたアイドル多田愛佳の画像でもなく、いつのまにか有岡大貴の画像が増えていきました。
そして今もずっと変わらず、有岡大貴の画像はフォルダに増え続ける一方です。そろそろ整理をしないと容量が無くなってしまいそうです。
彼らと過ごした年月は、もしかしたら同年代の人の中では短い方かもしれない!最初の数年は嵐もJUMPもという欲張り思考だったから、かけた愛もお金も少ないかもしれない!
でも、今もこうしてHey! Say! JUMPを応援していて、たまにキラキラのエフェクトは剥がれかけることもあったけれど(一昨年の12月など)、それでも何度も何度もそのキラキラをかけ直してくれるのは、紛れもない彼ら自身だとわたしは思っています。
アイドルに夢見すぎでは?と思われるかもしれないけど、わたしは本当に彼らのことが大好きですし、応援していて幸せです。
あのとき、意地を張って、ここでは言えないような心ない言葉を母親に対して語ったこともありました。(母親へ。あの時はごめん。思春期だったので許して欲しいとは思っています。)
その意地をぶち壊したのは、ほかでもない『Come On A My House』。そして、少しでもHey! Say! JUMPを観ようと思えたデビュー前の長身細身体型の八乙女光くん。そして、意地っ張りなわたしのハートを最強顔面でぶん殴ってきた有岡大貴くん。感謝しております。
今でこそカモナはやりすぎだし(それは思います)、セトリに要らないとの声も上がりますが(たまに思います)、わたしをHey! Say! JUMPに導いてくれた大切な楽曲だなあ、と今更 #おうち時間 を使って実感していました。
現在の日本の状況でのアイドルは、まさに次に会える約束もそこそこに駆け出す人なわけですが、(唐突にシンデレラガール)こんな状況でも私たちを幸せにしようと行動してくれるアイドルに、今日も感謝が溢れています。
そしてアイドルだけでなく、ここまで読んでくださった方もありがとうございます。こんな長ったらしく読みにくい文章を読んでくれたあなたは、言葉では表せないぐらい素晴らしい人ですので、偶然道で500円玉を拾えることを祈っています。